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まだ見ぬ国


エステの現場。
 
クライアントに難聴気味のボクの耳に
オイルを流し込まれる。
 
効果があれば、
言うことを聞かないムスメの耳にも
流し込んでやるか。
 
 
 
愚痴ったり、
悲観してばかりいたり、
しらけていたり、
手をこまねいて机上の空論を
コネくり回してばかりは沢山だ。
 
フィクションはノンフィクションに
超えられるのが現実だけれど、
全力を尽くして
その環境をくぐり抜けていけば、
きっとまだ見ぬ国への道を見つけることが
出来るのではないだろうか。
 
と、前回のブログを反省し、
そのまだ見ぬ国「黄金宮殿」へ
初めて足を踏み入れた。
 
KARANのオーナーとスタッフと、
焼き肉で打ち上げ。
 
マッコリがボクをまだ見ぬ夢へと誘い、
オーナーはお店のソファーでよく見る朝を
気持ち悪く迎える。
 
こんな日もあっていい。
 
こんなことをしながら
スタッフには竹のごとくしなって
平気で復元するような資質を育ててほしい。
 
そして、今のハードスケジュールを
突破してくれと思うばかりである。
 
楽しみなさい、設計を、
と、そのことに尽きる。
 
1006-城南町03

マッコリを染み込ませたまま
徳島「城南町の家」配筋検査
 
1006-塚ノ原03

「塚ノ原の家」
この窓の向こうは、
まだ見ぬ国があるやもしれぬ、、、

眠っては考える

↑「望海ヶ丘の家」
10月6、7日にオープンハウスの予定。
ご興味のある方は
是非ご一報ください。
追ってご連絡致します。
 
 
 
最近は車での移動距離は異常で、
サービスエリアで仮眠を取りながら
諸々を考える。
 
お陰様で考えては眠り、
眠っては考えている。
珍しく考える人なのである。
 
気がついてみれば
最近は毎日のスケジュールが一杯で
セコセコ動いてばかりの日々である。
 
それなりに
充実しているような気分になりやすいのだが、
用心しないと何も残ってないことに
なりかねない。
 
残ったのはこの日記だけなんて
悲惨なことになりかねない。
 
しかし建築の設計という仕事は
雑用のカタマリだな。
 
この雑用が集積して
一個の造形物に
立ち上がると理解しても
良いくらいだ。
 
0925塚ノ原

「塚ノ原の家」
 
0925南国

「南国の家」の敷地が露になった。

コノ人物の感性


窓のデザインについて、
アル人物との電話のやりとりは
何時間にも及ぶ。
 
 
今日は高知市内で計画中の
ある店舗の解体工事。
 
ご縁があり仕事をさせていただいている。
 
工期があまりない中、
工事を請けてくれた
コノ人物の感性を信頼しているので、
内心嬉しく楽しみなのだけれど、
 
コノ人物の長電話に対しては
仏頂面をして聞かないと
 
電話代がいくらあっても足りない。

アンビバレント

週末は愛媛・今治で営業活動。
時間があったので今治城を見る。
 
これは日本の城郭に例を見ない水城であった。
 
 
瀬戸内海に面して地の利を利用して
城の一角に船だまりを設けている。
 
発想がユニークだし、
地盤が悪いであろう海岸に
城を築く技術も見事である。
 
この城を築いた藤堂高虎は
政治家・武将としても一流であったが、
軍事技術者・建築家としての腕も
超一流であったらしい。
 
武将にして建築家であった藤堂高虎は
「戦争と文化」
「機能と美」の
アンビバレントを再統一しようとした。

信頼関係


9月9日オープンした、美容室「KARAN」
 
 
ボクたちは仕事柄、
評価は最終的なものでしかない。
 
当然いくら良いものだと思っていても、
オーナーがそう思わなければ、
スムーズには進まない。
 
 
だから、最大限の説明をする。
 
しかし、どんな人でも
すべてのコンセプトや
空間を理解することは出来ない。
 
理解できないことを拒絶するか、
信じて受け入れるのか。
 
そこで重要なのが信頼関係。
 
理想は封印している感情を
理論的に表現すること。
 
お互い詩人のように豊かに語ることが出来れば、
信頼関係も図面も必要ないかもしれない。

七不思議

「七」という数字は
世界共通の「聖なる数字」とされている。
 
 
冒頭でなぜ
ボクがこんなことを言ったのかというと、
クライアントが
チャクラについて勉強していることに
ただ便乗しているだけなのである。
 
 
ラッキーセブンや
七つのお祝い、
七福神、
頭蓋骨が七つの骨から成立していることなどなど。
 
また、人間が瞬時に識別できるものの数は、
七が限度だという説もある。
 
だから「七人の侍」であり、
あれが八人だったりすると、
丘の向こうからジャーンという感じで
登場する正義の味方の姿が、
あいまいになるかもしれないのである。
 
ボクが理解出来るのは
せいぜいこれくらいである。
 
 
勉強しているクライアントに
あきれられてしまうかもしれないので
冗談はこれくらいにしておく。
 
 
チベットのラマ教によれば、
人間には七つのチャクラと呼ばれる
一種の「見えない穴」があるという。
 
その穴があったら入りたい気持ちである。
 


仏曲を歌う人、Imee Ooi ( イミー・ウーイ )
クライアントにこのCDを渡されプレッシャーをかけられる。

徳之島計画地訪問記~その2


フェリーから徳之島を見る。
 
話には聞いていたけど
実際にこの地に降り立つと
思い描いていた世界とは
全く異なる場所であった。
 
考えようでは思い描いていた世界と
現実がほぼ同じということぐらい
つまらないことはない。
 
現実の島の前には、光の多様さ、
草木の色の鮮やかさ、
海の色の輝きも、
驚くほどの多彩さを作り出している。
 
底抜けの明るさを持つ島人の裏には
ミステリアスで寓話的な印象もあった。
 
文化、歴史は人間が作るのであって、
風景が作るわけではない。
 
しかし、自然との折り合いの中で、
人間の生活自体があることも
意識しなくてはならない。
 
 
ボクたちに許された時間は
決して長くなかったが、
ボクの記憶には
深い深い余韻を残すカタチとなった。
 
 
この島の風景を感じると、
いつのまにか両手にたくさんのモノを抱えて
歳をとってしまった自分に気付いて反省する。
 
明日でボクは42歳になる。
 
0820-徳之島敷地
↑計画地
 
0820-闘牛場
↑闘牛場。
「オーレ」とか「オーラ」とか言って
人と牛が闘うスペインの闘牛ではない。

徳之島計画地訪問記~その1


出航前、フェリーから桜島を眺める。
 
 
不眠不休の波は小さくなったけど、
鏡に映っている
疲れた自分の顔から逃げるしかない。
 
ずいぶんセコイ逃亡者ではあるが、、、
 
8月11日。
鹿児島から徳之島へ向かうフェリーの中。
 
 
計画地を訪ねるのは設計する者にとって、
依頼主に出会うのと同じくらい
何より大事なことである。
 
島の雰囲気はグーグルの地図で、
何となくは予測出来ている。
 
でもその場所の何か、
霊気のようなものは感じられない。
 
 
身体で感じる風の柔らかさ、
陽光の移ろい、
海の音、
潮の香り、
草木のざわめきも
もちろん聞こえてこない。
 
島を見てそこに立って
聞くであろう場所の言葉を得たならば
これまでなんとなく描いていた案は
壊してしまおう。
 
もっと何か凄いモノを
得られるかもしれないと、
心待ちにしているのである。
 
出来るかどうかわからないけど、
可能な限り
自分をカラにしておかなければならない。
 
 
今、東シナ海の上。
 
ムスメは初めての船泊。
興奮していたが
疲れて眠っている。
 
後12時間で徳之島に着く。
 
あまり余計なことは考えず、
眠るとしよう。

隣の芝


木工職人の二宮くんが作った「まなイス」。
その上にある包丁は義父が作った包丁。
 
 
体力を目一杯使い切っていて
危険なのは自覚できているが
制御する術を知らない。
 
少しずつ不眠不休の波も小さくなり
久しぶりにコレを書くことができた。
 
これも、クライアントとその弟さんとが
僕の体を指圧し、矯正し、
隅々まで観てもらい
この危険な状態を制御する術を
教えてくださったおかげである。
 
ありがとうございました。
 
 
ということで
ここ最近の行動を紹介していきます。
 
 
「35坪の細長い敷地の家」
ひとつながりになりながら
棟がずれていく雁行型平面は
数寄屋や書院に多く見られる。
大きさの異なる部屋と部屋が連結し
雁行する平面では、
互いの空間が向かい合ったり
離れたりしたりして
居場所をつくっていく。
 
「庫裏改築計画」
石段を上がっていくと菩提寺があり、
庫裏はその横に隣接する。
床面の段差やズレは体に直接訴え、
天井面のズレは視覚的に訴えかける。
通り土間の視線の先を低く抑えたり
高く吹き抜ける天井面のズレに対して
人は立ち止まり
静かにその空間に身を委ねる。
レベル差や階段などの床面のズレに対し、
人は躍動感を覚え、
より立体的な空間が生まれるだろう、、、
 
「超ローコスト住宅」
無理を承知で引き受けたことだけど、
可能性はないことはない。
無理を通して実現するのには
異常な努力が必要である。
これはクライアント、
工務店、設計者共に同じ想いである。
 
 
敷地の大きさ形状、予算。
これらは設計に最低限必要な諸条件。
コレを見比べるだけでも
軽やかで自由に見えることもある。
隣の芝はいつも緑に見えやすい。
 
でも、芝は芝で手入れが大変なのである。
 
 
11日~16日までお盆休みをいただきます。
 
これでムスメの危険な状態を回避できるでしょう。

砂漠に水


クライアントにいただいた
お酒と石鹸。
 
ムスメから
「油っぽいっ!」
て言われている僕を気遣い
オーガニックな石鹸を
いただきました。
 
これでムスメの口を
黙らせる事が出来ると思います。
 
ありがとうございました。
 
 
 
大中小を問わず、
設計を始める前の
ネゴシエーションは難しい。
 
どんな仕事でも信頼されれば、
必要以上の努力をするし、
信頼度が低ければ
多少力が抜けるのはやむを得ない。
 
のだが、
それを上手に伝えることは
困難である。
 
伝えたいことは
山程あるのだけれど
聞く耳を持っているのかどうかは知らない。
 
砂漠に水をまく感がある。