「草屋根の家」の地鎮祭。
祭壇に供えられたお供え物の品々は
色鮮やかで豊富、
そしてデフォルメされたものに囲まれる。
当初、屋根に草を植えるつもりはなかった。
シンプルに無駄なく
素直な家にするつもりだった。
それは限られた予算があったから。
「へんなことはしませんから。」
と安心させようとしたら、施主は
「少しくらいなら。お任せします。」
この一言が運命の分かれ道。
とにかく施主と設計者が
あれこれイメージをふくらませているうちに
屋根の上に上がりたいという、
施主の欲望までもが溢れかえっていた。
屋根の上に草を植えることを通告した時も
施主に動揺は見えなかった。
「じゃあ壁は土壁で。」
と施主から提案してくるくらい
楽しみながら今は時を待っている。
月別アーカイブ: 2016年1月
2016
あけましておめでとうございます。
年始は実家に帰ったり、
家の近くの後楽園付近をムスメと散歩しながら、
のんびりさせていただいてます。
昨年はいくつかの家のお手伝いをさせていただきました。
建築の善し悪しは姿形や平面計画の合理性ではなく、
そこで暮らす人たちがどんなふうに変化し
成熟するかにあると思います。
特に住宅は。
もちろんそこに住まう人たちだけではなく
ムスメやスタッフもそうです。
時代に流されない
柔軟な個人に成熟するというのも大事ですし
そうなってほしいと思います。
完成した後の、
そこでの生活を想像しながら
建築できたらと思います。
本年もよろしくお願いいたします。
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あまり見ることのない裏からの岡山城