月別アーカイブ: 2016年7月

建築家のしごと3

 
建築家の職能として
必要なものとしていくつかある。
 
その中でコミュニケーションもその一つ。
 
施主、職人、図面、素材、寸法、形、地域、場所、時間、自分自身
様々なものといかに良いコミュニケーションが取れたかによって、
建築の質が変わってくると思う。
 
それらを伝えることが出来、
何かしら感じてもらうことが出来たらと思い
今年も「建築家のしごと3」を行います。
 
 
 
ルイス・カーンはレンガに
「何を望んでいるか?」
と聞いたらしい。
するとレンガは
「アーチが好きなんだ。」
と答えたそうだ、、、
 
0731-ルイスカーン01
アユブ国立病院

素材でござい/闇

旧閑谷学校(岡山県備前市閑谷)
 
 
普遍性のある建築には、
闇を受け入れる素地があるように思う。
 
闇は静けさと落ち着きをもたらす。
 
暗いだけでは気味が悪い。
 
闇を受け入れる質がなければならない。
 
柱梁は黒光りし
ざらざらした土壁は差し込む光に立体感をもたらす。
 
時を重ねた素材、
重ねうる素材は闇を引き立てる。

素材でござい/水・緑

 
変化を導き入れる素材に水や緑などがあります。
 
音を立て噴出し流れ落ちる泉、
光を反射させる静寂な湖、
影を映し出すしゆらめく水面など
水は多様な変化をもたらします。
 
 
また植物も風にそよぎ、
天候の移り変わりにより木陰を作り出し、
四季折々色を変え、
年を経て成長することまで繰り返しながら
質の変化を空間に与えます。
 
0731-西粟倉村

素材でござい/光

 
光には色がある。
 
光自体の色というより、
建築における光には、
光が透過したり反射したりして
空間に差し込む間に
染められるような色がある。
 
物質を介して光が変化する。
 
素材の色に染められた光は
空間の質を大きく左右する力がある。
 
天神山文化プラザにて。

貝ノ川棚田

 
その土地にある
人々の用のために生み出されたものは
特別なものではなく、
その場所がもつ歴史や
人の力などによってつくられ、
今も愛されているものが多くあります。
 
生活の用のために実直に作られているせいか
健康で平穏な美しさや風格が
自然に備わっているような気がします。