寒い中、
また遠いところからのご来場、
準備していただいた工務店の方々、
この場を作っていただいたクライアントのTさん
ありがとうございました。
建築家はハンカチを汚さぬままに
哲学や思想をつぶやいてきた。
だから人々はそれを聞く耳を持たなかった。
小さな庭だけど掘り起こしては盛ってみた。
ものをつくるのは
そのものに生命を移すことである。
月別アーカイブ: 2018年2月
鳴門の巨岩
中庭に巨岩が居座っている。
工事の時に目を覚ました巨岩である。
この家が脇役になるくらいの巨岩である。
樹や石に神を見るのは日本文化の基層の性格だけど、
いまさらそれを持ち出すのはやめようということで、
巨岩が一つあるのは厄介だから
もういくつか置こうと考えた。
そうすれば物神性は少し和らぐだろうと確信し、
動かすことを伝えたと同時に、
監督の眉が曇ったのを見逃さなかった。
土に埋まっていた岩を掘り起こしては散りばめ、
散りばめては動かした。
散りばめるほど軽いものではないけど、
お陰で自然に溶け込んだ。
職人たちの力で仕上がった。
曇った眉が晴れ渡った職人の技術で完成した。
この庭園は未来を暗示しているに違いない。
「鳴門の家」オープンハウス
シンプルな家族構成と
いくつかの要求。
地形をながめ、
位置をさだめ、
形を考えた。
喜びをもたらすことは
人間に必要なもので、
健康は重要な一つである。
新鮮な空気、光と坪庭、
高低差のある場所に
適度な運動と休養、
将棋を指し、潮風を感じる。
クライアントのご厚意で予約制ではありますが
オープンハウスを行います。
ご興味のある方は15日までにメール等にてご連絡ください。
追って詳細をご連絡いたします。
場所:徳島県鳴門市鳴門町
日時:2/17(土)、18(日)
連絡先:info@k-tenk.com
一本の線
設計の最初の段階というもの、
白紙の上に
最初の一本の線を引かれるまで
多くの迷いがある。
曖昧だった線が
少しずつ自信のある
しっかりとした線に
変わってくる。
決まってきた線には
様々な思いが込められるようになる。
すると往々にして
矛盾した願いのいずれをも
捨てられない場に追い込まれて
悩むことになる。
しかしこれこそ
新しい考えの誕生のキッカケである。
まずは場所性を大事に
一本の線を引いてみよう。