事務所のコトスタッフのコト」カテゴリーアーカイブ

「青津参道の家」オープンハウス

 
このたび岡山市東区で
設計監理を進めてまいりました
「青津参道の家」が竣工します。
 
クライアントのご厚意により
4月6日(土)7(日)オープンハウスを行います。
 
お時間が許すようでしたらぜひお越しください。
 
当日はゆっくりご覧いただけるよう
予約制とさせていただいております。
 
ご予約は下記メールにて
お問い合わせください。
 
現地の場所については
ご連絡いただきました方に
こちらからご案内いたします。
 
 
Email:info@k-tenk.com
 
 
受付は4/5(金)17:00までとさせていただきます。
 
0328-青津参道の家
 
§
 
 
空間を分ける要素として、
物理的、空間的、記号的なものがあります。
 
物理的なものとして、
壁、家具、ガラス、植栽などで分けられるもの、
空間的なものとして、
床の段差、天井の高さ、距離、配置
記号的なものとして、
色、素材、明るさ
などがあります。
 
 
窓は光を取り入れ、風を入れる
外をみせて、うちをみせる
南のあかるい光
北のやわらかい光
遠く抜ける屋根の上からの景色
 
0328-外観
 

微細な変化

 
数年前まではしょっちゅう枯らした。
 
枯らしては新たな生命体を導入し、
全神経を傾けた。
 
傾けすぎるからまた根腐れなどをして、
肩を落とすはめの連続である。
 
ところが今年の猛暑を耐えた植物たちは、
枯れなくなった。
 
枯れることに慣れてしまった体ゆえに、
枯れないことが時間の停止にさえ思われてくる。
 
劇的な変化を無意識に希求していたが
それは間違っていた。
 
日々微細な変化を遂げているこいつらにしてやれることは
この世にただ一つしかないのである。
 
 
§
 
今まで出会って来たクライアント、
日々微細な変化を遂げているスタッフやパートナー、
施工会社の方々のお陰で
独立して15年続けることが出来ました。
 
今年も多くの方と出会い、
私自身もたくさん勉強する機会を
いただいたと思います。
 
それと建築ジャーナルさんからの依頼で、
8ページにも及ぶ15周年の特集を
組んでいただきました。
 
機会をくださった建築ジャーナルのKさん、
協賛してくださった関係者の方々
本当にありがとうございました。
 
来年1月1日に発行予定です。
 
 
今年は建築する意味を考えることが多く
心が折れそうになることもありましたが、
それ以上に家づくりを楽しみ、
喜んでくれる方がたくさんいたので
その姿を見続けようと心に決めました。
 
そして年末にお会いした方々とお話しして、
その意味を考えるきっかけを
いただいたような気がします。
 
言葉や文字、形にするまでには
まだ時間はかかりそうですが、、、
 
 
来年も微細な変化を遂げながら、
愛情を傾け
素敵な建築を作っていこうと思います。
 
今年もあとわずかになってしまいましたが、
大変お世話になりました。
 
来年もよろしくお願いいたします。
 
 
それでは良いお年を!

夏も終わろうとしている

 
メキシコ亀甲竜(夏型)
 
冬に葉を落としてからというもの
春になれば復活する、
と期待してからもう夏が終わろうとする。
 
もちろん理性では知っている。
 
確かめるのが怖いのだけど、
それら沈黙を続ける植物は
すでに生命活動を終えているのだろうか、、、
 
もしかしたら
アフリカ亀甲竜(冬型)なのかもしれない、
 
と根拠もなく冬を待つことにする。

新規スタッフ募集のお知らせ

 
 
TENKでは現在新規設計スタッフを募集しております。
 
 
私たちの創る建築に興味があり、
建築が好きで粘り強く頑張れる人材を求めています。
資格は問いません。
 
 
・実務経験者を優先しますが、 未経験でも意欲と熱意のある方は歓迎します。
・3ヶ月の試用期間を経て採用を決定いたします。
・給与は経験・能力を考慮のうえ決定いたします。
 
 
履歴書及びポートフォリオを弊社宛てにお送りください。
取り急ぎ簡易なもので結構です。
後日こちらからご連絡させていただきます。
(一週間経っても折り返し連絡が無い場合は直接ご連絡ください。)
 
同時に建築設計事務所の仕事を体験してみたい方を
オープンデスク・インターンとして随時募集しています。(ポートフォリオは不要)
業務内容はスタディ模型制作、CADによる簡易な作図等です。
有為な経験としていただく為に、定期的に来られる方を募集しています。
 
 
 
TENK/テンキュウカズノリ設計室
岡山市北区丸の内1-13-10-2F 〒700-0823
t.086-235-5516
f.086-235-5517
mail:info@k-tenk.com

花咲かじいさん

 
この夏、
猛暑でいくつかの植物がやられた。
 
それでも水をやってきたのである。
 
根が生きていれば
必ず息を吹き返すと信じ、
鉢や土を変えメネデールを注ぎ
世話をしてきた。
 
葉や土を湿らせるだけの行為を、
スタッフとじっと繰り返し続けたのだ。
 
愚かにも。
 
枯れ木に花を咲かせましょう、
と花咲か爺さんは言う。
 
作物と人間が密接だった時代、
あの民話をもっと切実に受け止めていたのだろう。
 
 
今では我が事務所では
枯れた植物を蘇らせる爺さんこそ
憧れの存在なのである。

スツール

 
形ある装飾ではなく、
形のない装飾概念はないのか、、、
 
素材そのものがもつ不均質性を
装飾的機能として
高めることは出来ないのだろうか、、、
 
人間の手の本来的な不均質が
作り出すムラやズレ、
素材の表面のニュアンスは
複雑な受容を帯びているのだろう。
 
 
家具職人の二宮くんが
槍鉋で仕上げた座面。

ボタニカル オフィス

 
私の事務所はここ数年で植物が増えた。
 
きっかけは高松のクライアントからいただいた
コウモリランである。
 
ただ増えているだけではない。
減ったりもする。
 
乾ききった事務所に馴染めなかったものや、
栄養枯れの土によるものだったり、
根腐れしたもの、
環境を変えるため自宅に持ち帰ったもの、
などなど。
 
もちろん欲しくても
手に入れられないものもある。
 
 
 
先日、庭の打合せで
昨年末にお引渡ししたお家にお伺いした。
 
クライアントとは
土地探しからのお付き合いになる。
 
「土地探しからで言うと、2年以上もお世話になっているので、、、
テンキュウさんが好きだと思って、、、」
 
と玄関においてあったものを
おもむろに出してきたのは塊根植物。
 
欲しくても手に入れられなかった植物、
パキポディウム グラキリスなのである。
 
なぜ私が好きなものを知っているのだ?
しかも欲しくても手が出ないシロモノを、、、
 
 
「いや、そんな、もらうわけには、、、
いいんですか、、、」
私は口の奥でモゴモゴ言った。
それでいて目は輝き
パキポディウムのふっくらとした塊根を
しっかりととらえていた。
 
その横で呆れた目で
私を見るスタッフなんて知る由もない。
 
直射日光でも大丈夫、とか
風通しが大事だとか、
テクニカルな言葉を並べると
もはやエセガーデナーと一緒になりかねないので、
もう何も面倒なことは言わず
ただただうなずき、
必ず大事にします、
と心に誓うのであった。
 
0814-グラキリス

心の変化

 
人の心の内に生じる感情は、
様々な世界との接触の刺激から反応し
生じるものがほとんどである。
 
その世界が複雑でわかりにくい姿を呈している時、
身体が弱ければ困惑と恐怖を、
強ければ闘志を燃やせる。
 
また単純で把握しやすいものは
安心感や親近感を、
また退屈を感じる。
 
何らかのきっかけで、
複雑で捉えがたいものが
単純な姿に要約できた時、
諦めていたものが
急に身近な親しいものに変化することで
喜びから感動になる。
 
 
毎日放送の住人十色で放送された「草屋根の家」が
岡山香川・RSKでも放送が決定しました。
 
放送日は7月29日(日)13時30分からです。
 
 
 
0726-五右衛門
 
水廻りの改修工事の一幕
五右衛門風呂に浸かり物思いにふける。
小さいけどどこか身近に感じる。
 
 
0726-スコちゃん
 
一年前にお引渡しした家の撮影、
モデルのスコちゃん。
家の空気なのか、家人の雰囲気なのか
長居してしまう。
 
 
0726-桑名
 
お引渡しに数々の演出。
施主と施工者と設計者が一体になった瞬間。

原初の海

 
波間すれすれを浮遊していた。
 
それは魂が母胎にとらえられる
故郷の瀬戸内海を
彷徨している追憶なのか、
父母来生以前の原初の海を
泳いでいたような記憶なのかはわからない。
 
もしかしたらそれが波間でなく38度線なのかもしれない。
 
 
心が楽しい時、
すべてのものは美しく
生き生きとして感じる。
 
嫌なことがあっても
それを克服する道が見えてくる。
 
楽しそうにしていると
周囲の人までついつられて
愉快にならずにいられない。
 
 
もうろう状態からそんな記憶や感情を
徐々に呼び戻すため、
事務所の近くにある植物を見に行った。

オープンデスクデシタ

 
いささか学生としては時の積み重ねを
肩に背負い過ぎていたようにも思う。
 
流されずによく考えているからこそ、
もう少し自分の道を考えても
いいんじゃないかという、
我ながら妙な情動が湧いてくる。
 
他人の人生に踏み入って、
その敷かれたレールを
切り換えるデザイン程
難しいことはない。
 
だから自分でデザインするしかない。