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配筋検査のため柳井へ

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鉄と土の対話を見届ける儀式みたいなもので

図面に描かれた直線が

現場でわずかに揺らぎ

地の癖と人の手がそこに滲む．

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鉄筋はただの素材ではない．

やがて家の骨となり

見えなくなるものだ．

だからこそこの瞬間に目を凝らす．

鉄が正しく並び

組まれ結ばれているか

その一筋一筋に

設計の意図と現場の知恵が宿っている．

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配筋は語る．

家が立ち上がる前に

その命の流れがここにあると…

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日差しが静かに街を包み込むなか

琴平新町の鳥居のそばで

一本の柱がそっと立ち上がった．

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やがて梁がかけられ

空と地面のあいだにひとつの秩序が生まれる．

それは何かを主張するのではなく

ただ静かにそこにあるということの

意味を問いかけてくる．

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木は木として

職人は職人として

過不足なく役割を果たし

建築という形をそっと支えていく．

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この場所に必要とされたものは単なる機能ではない．

時間に耐え、時に寄り添い

やがて風景と呼ばれるものと

やわらかく結びついていく存在．

人々がそこに身を置き

心を澄ますための場．

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棟が上がるということは

建築がようやくひとつの呼吸を

始めるということかもしれない．

その息づかいを

人々は言葉にせずとも感じている．

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鳥居をくぐるたびに

ふと視線がその方へ向かう．

それは建築が町の時間の一部となる瞬間だった．

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空間とは意志か偶然か．

そんなことを考えていたら

気づけば荷物を詰めていた．

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現実逃避か？

これは構造の再検討であると

自分に言い聞かせながら…

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長崎は地形と歴史と建築が交錯する都市だ．

坂を上がったり下りたりするうちに

時間の層が足元に積もっていく．

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坂本龍馬が歩いた道

彼は刀を置いて船を選んだ．

グラバー邸に出入りしながら

開国という夢を構築していた．

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そのグラバーは異国の商人だが

彼の邸宅は和洋折衷、

風土と技術の交雑そのものだった．

建築が外交だった時代がそこにあった．

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キリシタンはこの街で迫害され

やがて受け入れられた．

大浦天主堂の尖塔が語るのは信仰と耐震の妥協．

西洋建築はこの地で風土に従い変形した．

純粋ではないからこそ強い．

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岩崎弥太郎は別の方法で都市を作った．

高島や端島に労働と機能だけを集約し

空間を「経済」で構築した男．

彼にとって建築は資本の器だった．

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それらは別々の思惑で動いていたが

交差点は長崎だった．

文化、宗教、産業が重なり

建築がその証人となった．

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長崎の建築には純粋さも均質さもない．

揺らぎ混沌とした地形と文化の上に

建築はあえて立つ．

形をとどめずしかし確かにそこに存在する．

それが建築のはじまりであり

歴史のつづきである．

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時間が出来たので高知城に立ち寄る

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それは山に立つ“物見”である以前に

土佐という場所の記憶そのもののようである．

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野面（のづら）積み

打込（うちこみ）接ぎが絡み合う石垣は

まるで生き物の背骨のように積まれている．

隙間のような余白のようなその積層は

明治の合理主義も戦後の機能主義も

未だ到達し得ぬ「構え」を体現している．

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そして天守

四重六階の構造は

外観の抑制と内部空間の豊かさとの対比を孕んでいる．

ここには平地にそびえる西洋式の王宮的エゴイズムはなく

あるのは地を這いながらも天を仰ぐという日本建築の美学．

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高知城は、破壊と再建を経てもなお

その「思想」を失っていない．

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土佐藩主・山内一豊のために建てられたが

それは「殿様のための箱」ではなく

民の祈りと汗が蒸発して凝固した“場”である．

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このたび高知県四万十市で
設計監理を進めてまいりました
「中村岩崎の家」が竣工します。
 
お施主様のご厚意により
12月17日(土)、18(日)にオープンハウスを
開催させていただける運びとなりましたので
ご案内申し上げます。
 
お時間が許すようでしたらぜひお越しください。
 
混雑を避ける為、安心してご見学頂けるよう
予約制とさせていただいております。
 
ご予約は下記QRコードにて
お問い合わせください。
 
詳しい場所につきましては
ご予約フォーム送信後に送られる
確認メールでお知らせします。
 
 
§
 
 
四万十川の水面が揺らぎ
赤鉄橋が見守り
それらの景色と過ごす、
スキップフロアの小さな家。
 

 

敷地を読むという表現をすることがあります。

敷地にも文脈があり

それを読み解いたりします。

廻りの環境や背景などそこに居続けることで

少しづつ見えてくる情報があります。

 

背景の蔵を取り込みました。

 

 
日光東照宮の造営にかり集められた
職人集団の表現技術とエネルギーが、
唐様の建築を装飾として食い尽くし
同時に樹木、雲、そして花などの
アニミズムの精霊が
建築を情報のヴェールで
覆い尽くそうとしている。
 
贅を尽くしたこの建物は
「存在」を確かめ得るように、
これこそ純粋芸術としての建築と
空間表現に関する主張なのでしょう。
 

 

 
ムスメの国体出場の応援のため
1週間ほど栃木に滞在。
 
せっかくなので空き時間に栃木県を堪能する。
 
たぶん建築設計を生業にしている人は
アートビオトープ那須に行くのだろうけど
悩んだ末、日光に行くことにした。
 
人工的につくられた不自然な自然を楽しむのもいいけど、
伝統的遺産である建築物や自然は長年の蓄積の結果、
内容と形とが一致し、
調和した美しさがきっとあるはずだと、
中禅寺湖・華厳の滝、
そして日光東照宮を目指す。
 

夏がやってくる前に
もうそろそろ目を覚まそうかと。

気持ちを整理していくには綴っていった方が
多分いいのだと思います。

太平洋を前に計画中です。

先日の「藍住の平屋」のオープンハウス、
遠いところ沢山のご来場、
ありがとうございました。

住宅に対する想いは様々です。

住まうことに何が正しいか、正しくないか
答えは見つからない。

正解ばかりが求められる昨今
ここに住むおおらかな息づかいが
感じられる場所になりました。