
低い庇は外壁の周辺に
身体に近いスケールの空間をつくり
建物自体を親しみやすいものに変容させる。
庇が建物の周りに生み出す空間は
内部から外部へと広げ、
同時に外部から内部へと
引き寄せるきっかけをつくっている。


その人の持つ雰囲気だけでなく、
装飾を削り落とし、
萌芽のような素直な場所が始まる。
それは初めてワインを飲んだ時のような感動が蘇る。
哲多町花木の空は本物の空よりも
よほど空らしく、雲らしく見える、
そんな地鎮祭だった。

このたび岡山市中区で
設計監理を進めてまいりました
「藤原光町の家」が竣工します。
クライアントのご厚意により
10月3日(土)、4日(日)オープンハウスを行います。
お時間が許すようでしたらぜひお越しください。
安心してご見学頂けるよう混雑を避ける為
予約制とさせていただいております。
ご予約は下記、TEL・メールにて
お問い合わせください。
現地の場所については
ご連絡いただきました方に
こちらからご案内いたします。
TEL:086-235-5516
Email:info@k-tenk.com
不在により電話がつながらない場合は
お手数ですがメールにて予約をお願いいたします。
受付は10/2(金)17:00までとさせていただきます。
§
風の揺らぎ
木々のざわめき
トップライトからは光を落とし、
木洩れ日と暮らしの模様を描く。

小さな建築は、
独特の魅力をもっている。
テント、屋台、電話ボックス、
バス停、公衆トイレ、、、
と並べてみると
道具と建築の境界はあいまいだと気づく。
小さな建築は道具にも似た、
「自分で所有し、制御できる」
という雰囲気を持っており
それが親しみやすさにも
つながっている。
しかし親しみやすさを感じるには
もう少し時間がかかりそうな
17坪の家の基礎。

↑ 銅の玉子焼鍋
手づくり、職人の仕事
総じてモノづくりにこだわりなさいという
願いなのか
要求なのか
スタッフからもらった誕生日プレゼントには
深いメッセージが刻み込まれている。

ご多分に漏れず、
シンプルな平面計画に切妻屋根。
施主の要望と、設計者の欲望。
つまり甘える豊かさをこれから形にしていく。
いろんなお菓子を一度に食べてみたい、
おもちゃを箱から全部取り出してから遊びたい、
というように。
大人たちがバカらしい、
意味がない、
効率が悪い、
と顔をしかめるようなことを、
茶目っ気たっぷりに
やってみようという甘え。
甘えを言うのはそれ自身よりも、
それを受け入れられる前提が
あるということの方が重要だと思う。
そして上手に甘えさせることが出来るのは、
甘える喜びを十分知った大人。
上品なあまやかしは芳醇で豊かです。


解体で出てきた石の積み木を、
どうやって遊ぼうかと。

1年ほど前にお引渡ししたお家の撮影。
目の前に広がる太平洋を受け、
そこから昇る陽を眺めると
現実を忘れてしまいそうである。
「新しい現実」に対して、
私たちはどう変化し、適応していけばいいのか。
元に戻るのではなくプロセスを変える。
これを踏まえて
進化していくという気持ちを
持つことなんだと思う。
各々が新しい現実に合わせて、
人間の文化や社会を
ポジティブに成長させていかなければならない。
陽は落ちまた昇る。
朝早くからの立ち合い、
ありがとうございました。