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時間軸

 
昨日、5年前にお引渡しした
高知のクライアントと岡山で久しぶりの食事。
 
中庭を見下ろしながら
7時間も一人飲みを楽しんでいるらしく
それを聞いただけで、
家づくりのお手伝いをして良かったなぁと嬉しくなる。
 
引渡し前にクライアントとこっそり現場に入って
同じように中庭を見下ろしながら
お酒を交わしたことを思い出した。
 
 
久しぶりの人に会う場合、
その間隔が大きいほど、
話題や変化も大きくなる。
 
何ヶ月ぶりとか、
何年後にはなど、
今の状況を理解するために
時間軸を相対的に扱い、
比較して今を判断するのだろう。
 
相対的なものをよりどころとしてそのものを理解する。
 
それは空間と同じである。
 
そして、5年前中庭を見下ろしながらお酒を交わした空間に
タイムスリップした。
 
§
 
共に遅くまで飲んだにもかかわらず
写真は、クライアントが朝起きて
岡山城周辺をジョギングしながら撮った写真だそうだ。
 
岡山の良さと、クライアントの底力を
改めて知らされた写真である。

可愛くも、しつこい病原体

「高松町の家」
 
写真家の野村さんから
先日撮影した桜の夕景の写真が
送られてきました。
 
 
ここ1、2ヶ月間、
咳に悩まされている。
 
「風邪ですか?」
「花粉症ですか?」
 
って聞かれる度に言葉が詰まり、
つい小さな声で
 
「マイコプラズマって知ってますか、、、
そうです。数年前に流行った、、、
肺炎ではないのですが、、、」
 
と、申し訳なさそうに、、、
 
診察してもらった先生の気持ちも
わからないでもないのだけれど、
何かはっきりと言えない症状であることだけは、
はっきりと言える。
 
 
この可愛くも、
時代を象徴するようなネーミングとは裏腹に
しつこさと気まぐれさを併せ持つ病原体は
今もなお、
ボクを苦しめている。

廿日市の現場

足場が外れたら外構工事に入ります。
 
 
「3日から足場を外します。」
現場監督から連絡があり
ゴールデンウィークの初日は広島・廿日市の現場へと向かう。
 
幾度となく渋滞に巻き込まれながらも
やっとの思いで現場に着く。
 
世の中はゴールデンウィーク。
 
休みって何なのか。
 
考えてみれば連日遊んでいるようなものなんだ、
と思うしかない。
 
 
廿日市の現場からは、晴れ渡った瀬戸内海の島々が見え
さらには厳島神社が見えたとき、
 
人間が意を決して自分を捨てて他者のために生きようとした時に、
空海が弥山を開基したように
 
ごくごく自然に建築という行いを
思い描いてしまう性まで考えてしまうのだろう。
 
0503廿日市-02
夕日が影を落とす。
 
0503廿日市-03
外壁の仕上げ。完成されているけど完成されてない感じがいい。
 
0503廿日市-04
さっそく入居者が、、、

いくつかの計画案

囲まれた場所に建つ家
 
ここ数ヶ月、プレゼンテーションが続く中、
実態としての建築や計画していると、
大事に育て、力づけようとしてきた夢想が
現実の力に抗いきれずに、
ボロボロに崩れ去って
霧散してしまいそうな体験を度々してきた。
 
もちろん崩れ落ちてばかりではいけない。
 
内からの意思も必要である。
 
他者との戦闘能力は必須なものであるけれど、
やはりお互い内なるものがなければ何もスタートしない。
 
崩れても尚、根気強く続けていられるのは、
その内なるものが
時に他者との遭遇から生み出され、
発酵されるからなんだと思う。
 
また発酵されるいくつかの大事なものが動き出す。
 
cb-01
小さな家
 
ymsk-01
幹線道路に建つ美容室
 
sgw-01
変形地に建つ平屋の家
 
ksk-01
角地に建つ家
 
kn-01
細長い敷地に建つ家

軒下空間

今日は西予市明浜町で上棟式と餅まきでした。
 
クラクラするほどのいい天気に恵まれ
崩壊しかけてもなお守り続ける石垣と
そこから生き続けるソテツの繁みには
生命力を感じます。
 
0425-04明浜
 
0425-03明浜
 
屋根が刳り貫かれた軒下のアプローチ空間
 
意図的につくられた空間や
認識するに容易な空間以上に、
そこに赴くまでの「間」がなんとも言えません。
 
用途的には意味を持たない部分であり
単なる通路でしかないかもしれないけど、
この「間」のはかり方によって
限られた空間に無限の広がりと
心地よい緊張感や期待感を感じると同時に、
ここに集まった老若男女の町の人々が餅を拾う風景には
この町の可能性を感じました。

フラッと、、、

 
ここ数日間、
営業活動や打合せするも
アレルギーのせいなのか、
単なる疲れからなのかわからず、
集中できない。
 
 
我ながら大したキャパシティじゃないなと反省。
 
 
雑文である事は自覚しているけど、
一日の時間には限りがある。
 
空を眺めたり、
風のそよぎに触れる時間も
欲しいのである。
 
 
写真は先日お引渡ししたお家に
フラッと寄ってみた。

人類の記憶

 
さんさんと降り注ぐ太陽と
さらさらとそよぐ潮風だけでなく
先人の知恵により石灰岩で創られた石垣は
みかんのおいしさをいっそう引き出す。
 
それは単に
造形感覚の血が騒ぐシロモノというより
建築と自然が共生して出来た
人類の記憶史と言っていいでしょう。
 
 
大工さんの作業場より

光の役割

 
「妹尾の家」
「東山崎の家」
ようやく足場が外れる。
 
 
空間の快適さの中で
光が占める役割の重要さというのは
相当なものではないかと思います。
 
 
それは照明器具の光ではなく
自然の光なのです。
 
0214-妹尾の家

屋根

高松市「東山崎の家」
 
 
建物の外観を決定する重要なものとして
屋根があります。
 
日本のように雨が多いところでは
軒の出の深い勾配屋根が理想的で、
屋根の形は日本建築の中で
美しいものの一つです。
 
古いものを大事にしつつ
新しい形で表現していけたらと思います。

バランス

四万十市 具同の家
 
 
建築の技術は
堅固で丈夫な骨組みを作ることだけど、
 
芸術面でいうと釣り合い
 
つまり出来上がる構造体の比例、
部屋の大きさ、
柱の太さ、
 
これらの作り出す空間の造形美によって
何かしら感じるきっかけを
つくることが出来るといいな。