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美しい風景

特別な景色でなくても
建物が建ってない風景が
美しいなぁって思うことがある。
 
そんな時どうやって
建物を風景に溶け込ますかを
必死になって考える。
 
一方で、
断固として自分のデザインを
主張したいとも考えたりする。
 
余程のことがない限り
特別に美しい環境に建築することもない。
 
だからほとんどが
美しい景色をつくろうと
考えるようになる。
 
 
屋根のデザインも
その一つではないかと思う。
 
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徳島市の「勝占の家」は
背景の連なる山々と屋根を連続させた。
 
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倉敷市児島の「味野の家」は
軒を深く低くすることで
入り組んだ町に
空を取り込む風景をつくった。
 
餅まきをすることで
たくさんの笑顔があり、
人がいきいきとし、
かつての風景を
取り戻すことも出来たんじゃないかと思う。
 
草屋根の家のクライアントと
味野の家のクライアントが
楽しそうに話している風景を見るだけで
幸せな気持ちになった。
 
 
草屋根の家のTさん、
遠いところありがとうございました。
 
味野の家のOさん、
最近あまりすることのない餅まきを
経験させていただき
ありがとうございました。
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触れる

先日の総社の家、太田の家の
オープンハウスでのたくさんのご来場、
ありがとうございました。
 
 
この家もそうですが
設計をしながら考えるとき、
全体と部分の関係は
注意深く検討されなければならない。
 
触れるという意味は
そのほとんどの場合が触れることを示すけど、
心に触れるという言葉があるように、
何か大切な行為であり気持ちなのでしょう。
 
 
手・足・体などが触れる部分は
人に伝えるモノとしての
手掛かりなのかもしれない。
 
だから体なんだと思う。
 
手を動かさないといけない。
 
体を動かさないといけない。
 
夢中になって
体全部を使って触れ、
心に触れる。
 
言葉は大事だけど
口だけでは心に触れないんだと思うことが
よくある。

小さな町の小さな山のふもとの小さな公園のそばに建つ大きな遊具のような洞穴

 
先日のオープンハウスでの沢山のご来場、
そして貴重な時間をつくっていただいた
クライアントのTさん、
ありがとうございました。
 
また遅くまで作業してくれた工務店のTさん、
お疲れさまでした。
 
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この世の中には異人とも呼ぶべき人が確かにいる。
この家のクライアントもその一人である。
もちろん工務店のTさんもその中に入る一人かもしれない。
 
この建築はその人物たちの異人ぶりを
そのまま形にしたとも言える。
 
 
 
その人物、その形、その生活を主体として考えるならば、
家はかくのごとくすでに解体している。
 
自らの思考の中で。
 
住むことを主体とするならば、
住む場所は当たり前である必要はない。
 
〇LDKでもなく、〇帖とかいう部屋もなく、
収納部屋もなくても一向に差し支えないのである。
 
本人の意識のコントロール、
自由さ加減だけが問題であり、
実はそれが障害であり、壁である。
 
クライアントはその意識を
巧みにコントロールしているように見える。
 
そしてその意識をどう形にするのか託された。
 
 
敷地の広さは20坪。
コンパクトであればあるほど
人の行動や身体感覚への眼差しが如実に表れてくるので
設計は簡単ではなかった。
 
そしてその難しさを克服して出来たこの小さな家は、
どこか人間という動物の「巣」を
現代的に表出させたような雰囲気を持たせることを可能にし、
クライアントの意識を形にすることが出来たと思う。
 
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オープンハウス初日を終えて

 
見る、聞く、触る、味わう、嗅ぐという
人間が持って生まれてきた
感覚だけではなく、
書く、喋る、笑う、編む、などなど
いっそうのびのびと
働かせられるような環境を、
そして人々の心身が
のびやかに活動するような
環境が出来たんじゃないかと思います。
 
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もぐるか、見上げるか

 
大きな浴槽と
天窓がそこにあったとき
 
湯船に浸かりもぐるか
それとも
仁王立ちになって見上げるのか、、、
 
 
 
「草屋根の家」
来月オープンハウス予定です。

天に続く螺旋階段

 
ここに踏み板が付いたら
天に近づくことが出来る。
 
遠い地平線の彼方まで
働く人々の生活を一望に眺め、
みんなが本当に楽しい生活を
営めるようにするには
どうしたらいいかと
考えさせられるやもしれぬ。
 
 
「茶屋町の家」完成に近づく

葉っぱは屋根になる

 
葉っぱを頭にかざした。
 
雨の音がパラパラと響く。
 
葉っぱの上の水が落ちる。
 
葉っぱは傘になり、
傘は屋根になり、
屋根は住居になり、
場所になる。
 
新しい空間とはこんな風に出来るのでしょう。
 
 
「総社の家」は来月オープンハウス予定。

「建築家のしごと3」を終えて

 
暑い中にもかかわらず、
たくさんのご来場
ありがとうございました。
 
今年の「建築家のしごと」展は
夏休みということで、
子供向けのワークショップを試みてみました。
 
これをきっかけに
建築に興味を持ってくれる子供たちが
増えていってくれるといいですね。
 
 
なりたいものになることや、
やりたいことをやることは
多分概ね出来ると思います。
 
でも、何かを引き換えにしている場合が多い。
 
それでもそれを成したいと思うこと、
自己陶酔とまではいかなくても、
何かに入り込める、
ということが多分才能なのかもしれません。
 
そしてその想いの強さが
表現の強さになり、
その表現の強さが
人の心を打つのかもしれません。
 
 
今回の建築探訪は
展覧会の会場である前川國男設計の
天神山文化プラザ(旧称:岡山県総合文化センター)
 
毎年会場になる建物を
メンバーであるトリムデザインさんが案内してくれたのですが、
設計者の生い立ちや建物の意図を主観を交えず
それぞれが見て聞いて感じれるような
案内をしてくれるので
見方が多角的に、
想像が豊かに膨らんでいきます。
 
実は個人的に楽しみにしているコーナーで、
僕はと言えば建築を作り
いい建築を見続けていきたいと思っています。
 
先人たちの圧倒的な作業の積み重なりに打たれつつ、
それらに敬意を抱きながら、
ほんのわずかでも
そこに発見的な何かを
付け加えることが出来ればいい。
 
豊かな空間を作って、
人に喜んでもらえれば、
そして人の心を打つことができたらと思います。
 
0809-天プラ02
 
2枚の写真は天神山文化プラザの屋上

建築家のしごと3

 
建築家の職能として
必要なものとしていくつかある。
 
その中でコミュニケーションもその一つ。
 
施主、職人、図面、素材、寸法、形、地域、場所、時間、自分自身
様々なものといかに良いコミュニケーションが取れたかによって、
建築の質が変わってくると思う。
 
それらを伝えることが出来、
何かしら感じてもらうことが出来たらと思い
今年も「建築家のしごと3」を行います。
 
 
 
ルイス・カーンはレンガに
「何を望んでいるか?」
と聞いたらしい。
するとレンガは
「アーチが好きなんだ。」
と答えたそうだ、、、
 
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アユブ国立病院

素材でござい/闇

旧閑谷学校(岡山県備前市閑谷)
 
 
普遍性のある建築には、
闇を受け入れる素地があるように思う。
 
闇は静けさと落ち着きをもたらす。
 
暗いだけでは気味が悪い。
 
闇を受け入れる質がなければならない。
 
柱梁は黒光りし
ざらざらした土壁は差し込む光に立体感をもたらす。
 
時を重ねた素材、
重ねうる素材は闇を引き立てる。