ケンチクノコト」カテゴリーアーカイブ

微細な変化

 
数年前まではしょっちゅう枯らした。
 
枯らしては新たな生命体を導入し、
全神経を傾けた。
 
傾けすぎるからまた根腐れなどをして、
肩を落とすはめの連続である。
 
ところが今年の猛暑を耐えた植物たちは、
枯れなくなった。
 
枯れることに慣れてしまった体ゆえに、
枯れないことが時間の停止にさえ思われてくる。
 
劇的な変化を無意識に希求していたが
それは間違っていた。
 
日々微細な変化を遂げているこいつらにしてやれることは
この世にただ一つしかないのである。
 
 
§
 
今まで出会って来たクライアント、
日々微細な変化を遂げているスタッフやパートナー、
施工会社の方々のお陰で
独立して15年続けることが出来ました。
 
今年も多くの方と出会い、
私自身もたくさん勉強する機会を
いただいたと思います。
 
それと建築ジャーナルさんからの依頼で、
8ページにも及ぶ15周年の特集を
組んでいただきました。
 
機会をくださった建築ジャーナルのKさん、
協賛してくださった関係者の方々
本当にありがとうございました。
 
来年1月1日に発行予定です。
 
 
今年は建築する意味を考えることが多く
心が折れそうになることもありましたが、
それ以上に家づくりを楽しみ、
喜んでくれる方がたくさんいたので
その姿を見続けようと心に決めました。
 
そして年末にお会いした方々とお話しして、
その意味を考えるきっかけを
いただいたような気がします。
 
言葉や文字、形にするまでには
まだ時間はかかりそうですが、、、
 
 
来年も微細な変化を遂げながら、
愛情を傾け
素敵な建築を作っていこうと思います。
 
今年もあとわずかになってしまいましたが、
大変お世話になりました。
 
来年もよろしくお願いいたします。
 
 
それでは良いお年を!

発見的方法

 
何か共通の反応があるのか。
 
反応の結果はさまざまな形をとっていても
その奥には何らかの法則が見いだせるのではないか。
 
と、何かを求めるべく足を運んだ。
 
想像のいとぐちは発見にあり、
発見は着目を変えることから始まるのだろう。

AかBか

 
ガラスが入った。
 
天井の構造物が外部に連続しているけど
もう少し内部に近づけたい。
 
 
1215-askrco01
 
シンプルな屋根にしたつもりなんだけど。。。
 
難しいと文句を言いながらも
丁寧に仕上げてくれている。
 
1215-askrco02
 
 
もしAかBかといった
対立としてあらわれた場合は
そのどちらかではなく
もう一つ別のというものを求めたい。

棟上げ

 
朝倉と三木町の棟上げ
 
 
文章でも書き出しや結びで
ピリッとしたりしなかったりするように、
建築の設計もいろんな条件を聞いて、
この手で行こうと直感的にその場でなにか生まれた時は、
なめらかに出発する。
 
句読点がないと、
どこに重点があるともわからない羅列が続いてしまうので、
やはりなにかこの手で行こうという核のようなものがあると
モヤモヤしたものが
次第にはっきりした姿になっていく。
 
1031-mk01
 

ホーバルベーグル

 
限られた数のベーグルを週に2日、
11時から販売するという限られた時間と、
1坪足らずという限られたスペースで、
作る者がベーグルを通して
他空間へどのような効果が期待しうるか
設計者としてそれが確認できたことが収穫だった。
 
 
建築の堅さ柔らかさで言えば、
軒を低く深いものは
柔らかく人を受け入れやすくしている。
 
1019-HB02
 

内部空間

 
内部の打合せ。
 
彫刻と建築との違いは、
建築には「内部空間」があること、
人が中に入って
感じるものだということ、
が外から鑑賞する彫刻との
違いなんだろうな。

「青津参道の家」棟上げ

 
住宅の設計は、
たぶん事実小説を組み上げるのに
似ているのだと思う。
 
単に事実の羅列では
小説にならないように、
使い勝手を処理しただけでは
住宅にならない。
 
時代背景の中に位置付けるように、
気候や風景、歴史の中に収めるのである。
 
一方では予算や材料、
施工や法的なことなどの制約があり、
他方には世界観や人生哲学の
崇高さが求められ、
住み手の生活と関心や執着、
はたまた夢と現実を
満たさなければならない。
 
一つ一つの謎解きをしていくようなもので、
住み手と施工者と設計者とで
一つの作品に仕上げていく過程の中で、
希望と現実を繰り返すように、
紙の上から現場へと移り、
躯体が組み上がっていく。

ご来場ありがとうございました

 
お忙しい中、
また遠いところお越しいただき
ありがとうございました。
 
いつも思いますが、
どんな方法であれ
表現された建築を通じて人とつながるのは、
生きることの一部にすぎないですが、
その表現は
他の何ものにも遥かに超えて
大きいと思います。
 
そのような機会をくださった
クライアントのHさん、
ありがとうございました。
 
 
 
住宅のデザインというのは、
人生のあらゆる面が
凝縮して表現されるものなので、
わずかな紙面・文面では
とうてい述べきれません。
 
一人一人の人間と物とのつながりの中に
生じるものであり、
家の姿形は
家人の人生のあらゆる面から
生まれたものだと思います。
 
 
富も、地位も、利便も捨てて
物の世界に埋没し
一体感を味わえる恍惚境を生み出す手段、
物を徹底して人間の側に近づけることで、
星や月を眺めながら
うっとりと出来るスペースが
生まれるのでしょう。
 
0918-OH2

整形な骨格と変形した軒先

 
空間の場所や向き、
整形な骨格の中に段差で区切られた、
アンチバリアフリーな空間には
快適性や意匠性以上のものが
生まれる可能性がある。
 
フレキシブルで曖昧な空間が求められる中、
拘束された小ヴォリュームが集まる1階と
高い空間から低く水平に伸びる2階には
新しいものが生まれるのではないか、、、
 
西日が敬遠される中、
1日の終わりを太陽と共に過ごすことで、
次なるものが新たに始まるだろう、、、
 
 
§
 
 
このたび岡山市で進めてまいりました
「津島東の家」が竣工します。
 
クライアントのご厚意により
9月15日(土)16(日)にオープンハウスを行います。
お時間が許すようでしたらぜひお越しください。
当日はゆっくりご覧いただけるように
予約制とさせていただいております。
 
ご予約は下記、TEL・メールにてお問い合わせください。
現地の場所についてはご連絡いただきました方に
こちらからご案内いたします。
 
 
TEL:086-235-5516
Email:info@k-tenk.com
 
不在により電話がつながらない場合は
お手数ですがメールにて予約をお願いいたします。

心の変化

 
人の心の内に生じる感情は、
様々な世界との接触の刺激から反応し
生じるものがほとんどである。
 
その世界が複雑でわかりにくい姿を呈している時、
身体が弱ければ困惑と恐怖を、
強ければ闘志を燃やせる。
 
また単純で把握しやすいものは
安心感や親近感を、
また退屈を感じる。
 
何らかのきっかけで、
複雑で捉えがたいものが
単純な姿に要約できた時、
諦めていたものが
急に身近な親しいものに変化することで
喜びから感動になる。
 
 
毎日放送の住人十色で放送された「草屋根の家」が
岡山香川・RSKでも放送が決定しました。
 
放送日は7月29日(日)13時30分からです。
 
 
 
0726-五右衛門
 
水廻りの改修工事の一幕
五右衛門風呂に浸かり物思いにふける。
小さいけどどこか身近に感じる。
 
 
0726-スコちゃん
 
一年前にお引渡しした家の撮影、
モデルのスコちゃん。
家の空気なのか、家人の雰囲気なのか
長居してしまう。
 
 
0726-桑名
 
お引渡しに数々の演出。
施主と施工者と設計者が一体になった瞬間。