ケンチクノコト」カテゴリーアーカイブ

北庭の台地

 
北に向いた屋島を舞台に
物語は始まった。
 
その場所に
それを取りまく大自然を取り込みたい。
 
そんな直感を信じ、
地域の環境をとらえ
直感を研ぎ澄まし、
秩序を与え
命を吹き込みながら
空間構造を楽しんだ。
 
北庭にはいろんな植物が育っている。
地面は生命の源、
豊穣の源。
 
これからますます生命の躍動感や、
豊穣の希望を感じながら
成長していくでしょう。
 
 
早朝から撮影の立ち会い、
ありがとうございました。
 
いただいたぐい吞みで
南をゆっくり味わいながら
教えてもらったノースライトを
読了しよう。

甘え

 
ご多分に漏れず、
シンプルな平面計画に切妻屋根。
 
施主の要望と、設計者の欲望。
 
つまり甘える豊かさをこれから形にしていく。
 
いろんなお菓子を一度に食べてみたい、
おもちゃを箱から全部取り出してから遊びたい、
というように。
 
大人たちがバカらしい、
意味がない、
効率が悪い、
と顔をしかめるようなことを、
茶目っ気たっぷりに
やってみようという甘え。
 
甘えを言うのはそれ自身よりも、
それを受け入れられる前提が
あるということの方が重要だと思う。
 
そして上手に甘えさせることが出来るのは、
甘える喜びを十分知った大人。
 
上品なあまやかしは芳醇で豊かです。
 
 
0528-藤原光町02
 
0528-味野城
 
解体で出てきた石の積み木を、
どうやって遊ぼうかと。

陽は昇る

 
1年ほど前にお引渡ししたお家の撮影。
 
目の前に広がる太平洋を受け、
そこから昇る陽を眺めると
現実を忘れてしまいそうである。
 
 
「新しい現実」に対して、
私たちはどう変化し、適応していけばいいのか。
 
元に戻るのではなくプロセスを変える。
 
これを踏まえて
進化していくという気持ちを
持つことなんだと思う。
 
各々が新しい現実に合わせて、
人間の文化や社会を
ポジティブに成長させていかなければならない。
 
 
陽は落ちまた昇る。
 
 
朝早くからの立ち合い、
ありがとうございました。

まわりまわって

 
そうなってしまったことは、
そうなったこととして受け止め
その上で次の手を考えて行動するほかない。
 
間髪入れずに反応しなければならない。
 
反応を示せばたちまち引き続いて
諸条件の変化が発生して次の手を打たなければならない。
 
はてさて暮らしにくい世の中になっている。
 
この緊張状態にあるとき、不都合、不具合、
それらを乗り越えようとする力が、
生命なのかもしれない。
 
 
人類の歴史はそれを繰り返してきた。
 
文明が栄える時には
いつもその危険がいっしょについてまわっている。
 
ほんの一寸した声にしかならないかもしれないけど、
せめてこの暮らしにくい世の中の
方向への加速だけは避けたい。
 
 
まわりまわってやっぱりそこに
戻ってくるはず。
 
0506-新居浜
清水町の家
 
0506-屋島
北庭の台地
 
0506-山田
山田の家
 
0506-八幡浜
保内の家

発見

 
あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
 
 
 
年始は実家に帰ってました。
 
写真はその時に立ち寄った
称名寺というお寺です。
 
 
始まりも終わりもなく
流れ動き続けるようなかたちは、
その背後に生命の円想を観、
その生命を敬し、愛し、
仏教が教える捕らわれのない心、
執着から解放された心を発見し、
かたちに表わしているような
鐘楼です。
 
 
§
 
 
発見とは
「私たちによってつくり変えられるべき世界」ではなく、
「私たち一人一人がそれによって支えられている世界」を、
そこに見出すことなのでしょう。
 
今年は、
「いまだ知り得ぬ世界」の外に身を置きながら、
想像や予想を積み重ね、
外の世界の尺度によって情報を集めたり、
一人一人が引きつけられる部分や全体を感じ、
それを共有する人の存在に気づくことで、
発見出来ればと思います。

大晦日

 
振り返ると年の瀬を迎えていて、
ただただ持続し続けていた。
 
突き進む変化を身体で感じながら問い続け、
気がつけば延々と格闘した結果が
空間となってあちこちに実っている。
 
それらはこれからさらに土地に根づき、
人々の手によって磨かれて風景と化し、
長い時間の中で、人々が集まりはじめる。
 
空間が風景に同化していくその横で、
終わることのない私たちの計画は来年も続く。
 
 
1231-01CORTLADA
 
1231-02zc
 
1231-03k
 
1231-04-88
 
1231-05h
 
1231-06y

家とは、、、

 
海を向いて集住する。
 
 
あたかも漁村全体が
一つの建築であるかのようである。
そこに住む人々は、
一つの家族集団のような関係なのかもしれない。
 
家とは小さな村であり、
村とは大きな家なのではないかと思う。
 
もしかしたらこれは、
未来社会の、
とあるプロジェクトの
コミュニティモデルの参考に
なるのではないだろうか。
 
1028-清水町02
 
屋根の上に上がりたい、
という要望を
家の中につくってみた。
 
大きな屋根に包まれながら
大きな窓で外とつながる。
 
家とは内包的であり
外延的でもある。
 
1028-清水町03

「松並木の家」オープンハウス

 
このたび岡山市北区で
設計監理を進めてまいりました
「松並木の家」が竣工します。
 
クライアントのご厚意により
9月22日(日)オープンハウスを行います。
 
お時間が許すようでしたらぜひお越しください。
 
当日はゆっくりご覧いただけるよう
事前に予約いただいた方を
優先とさせていただいております。
 
ご予約は下記、TEL・メールにて
お問い合わせください。
 
現地の場所については
ご連絡いただきました方に
こちらからご案内いたします。
 
 
TEL:086-235-5516
Email:info@k-tenk.com
 
 
不在により電話がつながらない場合は
お手数ですがメールにて予約をお願いいたします。
 
受付は9/21(土)17:00までとさせていただきます。
 
 
§
 
 
建物が建つ場所の広がりや
歴史的な時間の流れを
感じ取りながら情景を集め、
その造形の「わかりやすさ」は
思い入れに比例し、
そこに埋没することなく、
悠久、
つまり永遠への渇望のような気持ちを
形に凝縮させることが
出来たと思います。

緑は萌える

 
今年の春に引き渡しした家の撮影。
 
 
透き通った川のせせらぎに誘われながら、
住宅地の中に入っていくと、
宙に浮いたような庭が目の前にあらわれる。
 
宙に浮いた芝も梅雨とともに
過ごしながら青々と育ち、
灼熱の太陽のもと、
形容しがたい気配が
その場所に馴染んでいるようにも見えた。
 
どこからか蝶々やバッタがやってきて、
カエルが生息する。
 
外部から生命体を取り込んで、
静かに何かを待ち続ける。
 
その何かはわからないけど、
不穏で、しかも悦ばしくもある何か。
 
緑という名の宇宙的物質が
この地球を覆うのではないか、
と、、、
 
 
Yさん、ご家族の皆さま、
暑い中撮影のご協力ありがとうございました。
 
水草は私のボタニカル・ライフに
三角関係を持ち込んでしまったようですけど、
ほしかった水草を大事に育ててみます。

不意の贈り物

 
プロポーションの枠内で
色々と努力を重ねてきた。
 
決められたプロポーションの不自由さから
生み出されたものである。
 
自然の中や都市の中で
作ってきたものとは異なったが、
自由が封じられたからこそ、
その中で必死にあがき、
その力がじわりと表現された。
 
 
§
 
 
いつものように
植物を鑑賞して帰るつもりだった。
 
いつも見上げていた憧れのチランジアが
振り返ると目の前にある。
 
「形にしてくださったので、、、
事務所に合うと思って、、、」
 
一瞬息を飲んだ。
 
じわじわと感動が押し上がってきた。
 
南米で育ち、
空気から水分を得て永らえる乾いた植物である。
 
我が事務所にとって大事なひと株になる。
 
 
 0630-ReA