
ここにたどり着くまでに四年.
ともに探し、迷い
ようやく出会った場所だった.
当初は巨大な擁壁を築き
水平な基壇の上に建築を据える計画もあった.
だがそれは土地が長い時間をかけて
形づくってきた地形を断ち切ることになる.
自然を整えることと壊すことは紙一重だ.
だから私たちは地形に逆らわず
できるだけ法面を生かす設計へと舵を切った.
建築は土地に抗うのではなく
その延長としてそっと置かれるほうがよい.
風の通り道を残し
水が還る余白を確保する.
すると建築は「建てる」というより
土地に静かに持ち上げられる存在になる.
確認申請を提出してから
まもなく半年が過ぎようとしている.
建築の時間はときに驚くほどゆっくりと進む.
しかしこの土地に堆積した時間に比べれば
その遅さはむしろ自然な歩幅なのだろう.
先日地鎮祭を執り行った.
祝詞が響くなか
この建築を土地に差し出し
同時に土地から許しを受け取ったような気がした.
やがて現れる建築が
以前からそこに在ったかのように
風景へ溶け込むなら
この時間のすべてが
必然だったとわかるだろう.
建築とは土地と時間のあいだに
結ばれる静かな約束なのだ.