カテゴリー別アーカイブ: かりそめ

夏も終わろうとしている

亀甲竜

 
メキシコ亀甲竜(夏型)
 
冬に葉を落としてからというもの
春になれば復活する、
と期待してからもう夏が終わろうとする。
 
もちろん理性では知っている。
 
確かめるのが怖いのだけど、
それら沈黙を続ける植物は
すでに生命活動を終えているのだろうか、、、
 
もしかしたら
アフリカ亀甲竜(冬型)なのかもしれない、
 
と根拠もなく冬を待つことにする。

「青津参道の家」棟上げ

0924-青津参道

 
住宅の設計は、
たぶん事実小説を組み上げるのに
似ているのだと思う。
 
単に事実の羅列では
小説にならないように、
使い勝手を処理しただけでは
住宅にならない。
 
時代背景の中に位置付けるように、
気候や風景、歴史の中に収めるのである。
 
一方では予算や材料、
施工や法的なことなどの制約があり、
他方には世界観や人生哲学の
崇高さが求められ、
住み手の生活と関心や執着、
はたまた夢と現実を
満たさなければならない。
 
一つ一つの謎解きをしていくようなもので、
住み手と施工者と設計者とで
一つの作品に仕上げていく過程の中で、
希望と現実を繰り返すように、
紙の上から現場へと移り、
躯体が組み上がっていく。

ご来場ありがとうございました

0918-OH

 
お忙しい中、
また遠いところお越しいただき
ありがとうございました。
 
いつも思いますが、
どんな方法であれ
表現された建築を通じて人とつながるのは、
生きることの一部にすぎないですが、
その表現は
他の何ものにも遥かに超えて
大きいと思います。
 
そのような機会をくださった
クライアントのHさん、
ありがとうございました。
 
 
 
住宅のデザインというのは、
人生のあらゆる面が
凝縮して表現されるものなので、
わずかな紙面・文面では
とうてい述べきれません。
 
一人一人の人間と物とのつながりの中に
生じるものであり、
家の姿形は
家人の人生のあらゆる面から
生まれたものだと思います。
 
 
富も、地位も、利便も捨てて
物の世界に埋没し
一体感を味わえる恍惚境を生み出す手段、
物を徹底して人間の側に近づけることで、
星や月を眺めながら
うっとりと出来るスペースが
生まれるのでしょう。
 
0918-OH2

花咲かじいさん

0908-水やり

 
この夏、
猛暑でいくつかの植物がやられた。
 
それでも水をやってきたのである。
 
根が生きていれば
必ず息を吹き返すと信じ、
鉢や土を変えメネデールを注ぎ
世話をしてきた。
 
葉や土を湿らせるだけの行為を、
スタッフとじっと繰り返し続けたのだ。
 
愚かにも。
 
枯れ木に花を咲かせましょう、
と花咲か爺さんは言う。
 
作物と人間が密接だった時代、
あの民話をもっと切実に受け止めていたのだろう。
 
 
今では我が事務所では
枯れた植物を蘇らせる爺さんこそ
憧れの存在なのである。

スツール

0907-スツール

 
形ある装飾ではなく、
形のない装飾概念はないのか、、、
 
素材そのものがもつ不均質性を
装飾的機能として
高めることは出来ないのだろうか、、、
 
人間の手の本来的な不均質が
作り出すムラやズレ、
素材の表面のニュアンスは
複雑な受容を帯びているのだろう。
 
 
家具職人の二宮くんが
槍鉋で仕上げた座面。

整形な骨格と変形した軒先

0901津島東の家OH

 
空間の場所や向き、
整形な骨格の中に段差で区切られた、
アンチバリアフリーな空間には
快適性や意匠性以上のものが
生まれる可能性がある。
 
フレキシブルで曖昧な空間が求められる中、
拘束された小ヴォリュームが集まる1階と
高い空間から低く水平に伸びる2階には
新しいものが生まれるのではないか、、、
 
西日が敬遠される中、
1日の終わりを太陽と共に過ごすことで、
次なるものが新たに始まるだろう、、、
 
 
§
 
 
このたび岡山市で進めてまいりました
「津島東の家」が竣工します。
 
クライアントのご厚意により
9月15日(土)16(日)にオープンハウスを行います。
お時間が許すようでしたらぜひお越しください。
当日はゆっくりご覧いただけるように
予約制とさせていただいております。
 
ご予約は下記、TEL・メールにてお問い合わせください。
現地の場所についてはご連絡いただきました方に
こちらからご案内いたします。
 
 
TEL:086-235-5516
Email:info@k-tenk.com
 
不在により電話がつながらない場合は
お手数ですがメールにて予約をお願いいたします。

ボタニカル オフィス

0814-ohshima

 
私の事務所はここ数年で植物が増えた。
 
きっかけは高松のクライアントからいただいた
コウモリランである。
 
ただ増えているだけではない。
減ったりもする。
 
乾ききった事務所に馴染めなかったものや、
栄養枯れの土によるものだったり、
根腐れしたもの、
環境を変えるため自宅に持ち帰ったもの、
などなど。
 
もちろん欲しくても
手に入れられないものもある。
 
 
 
先日、庭の打合せで
昨年末にお引渡ししたお家にお伺いした。
 
クライアントとは
土地探しからのお付き合いになる。
 
「土地探しからで言うと、2年以上もお世話になっているので、、、
テンキュウさんが好きだと思って、、、」
 
と玄関においてあったものを
おもむろに出してきたのは塊根植物。
 
欲しくても手に入れられなかった植物、
パキポディウム グラキリスなのである。
 
なぜ私が好きなものを知っているのだ?
しかも欲しくても手が出ないシロモノを、、、
 
 
「いや、そんな、もらうわけには、、、
いいんですか、、、」
私は口の奥でモゴモゴ言った。
それでいて目は輝き
パキポディウムのふっくらとした塊根を
しっかりととらえていた。
 
その横で呆れた目で
私を見るスタッフなんて知る由もない。
 
直射日光でも大丈夫、とか
風通しが大事だとか、
テクニカルな言葉を並べると
もはやエセガーデナーと一緒になりかねないので、
もう何も面倒なことは言わず
ただただうなずき、
必ず大事にします、
と心に誓うのであった。
 
0814-グラキリス

心の変化

0726-住人十色

 
人の心の内に生じる感情は、
様々な世界との接触の刺激から反応し
生じるものがほとんどである。
 
その世界が複雑でわかりにくい姿を呈している時、
身体が弱ければ困惑と恐怖を、
強ければ闘志を燃やせる。
 
また単純で把握しやすいものは
安心感や親近感を、
また退屈を感じる。
 
何らかのきっかけで、
複雑で捉えがたいものが
単純な姿に要約できた時、
諦めていたものが
急に身近な親しいものに変化することで
喜びから感動になる。
 
 
毎日放送の住人十色で放送された「草屋根の家」が
岡山香川・RSKでも放送が決定しました。
 
放送日は7月29日(日)13時30分からです。
 
 
 
0726-五右衛門
 
水廻りの改修工事の一幕
五右衛門風呂に浸かり物思いにふける。
小さいけどどこか身近に感じる。
 
 
0726-スコちゃん
 
一年前にお引渡しした家の撮影、
モデルのスコちゃん。
家の空気なのか、家人の雰囲気なのか
長居してしまう。
 
 
0726-桑名
 
お引渡しに数々の演出。
施主と施工者と設計者が一体になった瞬間。

濡れ手に粟

0831-濡れ手に粟

 
まずそこに立って見ることだ。
 
立ち尽くして目をみはり、
耳をこらすことだ。
 
心を白紙にして
事象をそのままに受けとめてみることから出発する。
 
それから山積みになった問題も乗り越え、
共に目標を目指し形にしていく。
 
 
ただかっこいいものを作りたいからとか
人の為にとか言いながら
アブク銭だけ執着し、
富に溢れて私欲のために独走していると、
居場所を失い
これから出来上がっていくそれは
きっと見通しの悪いものになっていくだろう、、、
 
 
誰かが言ってた。
 
「人の為って偽りって書くんだな~」って

生者必滅

0614-tkmt

 
古い建物が混在したこの場所で、
残されるものと取り壊されるもの。
 
 
生者必滅が自然の法則なら、
建築もまた生けるものとして、
必ず死する時がある。
 
人間の世界では次々と世代に受け継がれて、
歴史が彩られてゆくように、
建築物もまた人間の延長として
次々と完成されては誕生し、
活躍して死滅していく。
 
あるいは死滅というよりは
転生していくと言った方が
良いのかもしれない。
 
建築計画はこのような建築の輪廻を想いつつ
とくに設計を中心にして、
新しい建築を生み出していく過程にほかならない。
 
仏式の地鎮祭の中、御焼香を終えて思った。
 
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