Monthly Archives: March 2025

小さな学校の棟上げ

石を根とする大黒柱は真ん中に鎮座し

八角形の空間へと枝を広げる

屋根の架構は麻の葉

その文様は強靭にしてしなやかで

生命の力が編まれたかたち

その包まれた空間のなかで

子どもたちは息づき伸びていく

大工さんの家の棟上げ

大工さんの家は、不思議と骨太い

切妻の屋根は瓦をまとい

兜のように誇りを支える

雨を受け、陽に焼かれ

時とともに深まる味わい

それは棲家でもあり

職人の生きざまそのものだ

長い長いトンネル

もろもろの申請がやっと下り

いよいよ着工の時が訪れる。

場所はのどかな田園風景が広がる山の裾野。

ここにいくつもの正方形のボリュームが

様々な角度で配置された住宅が立ち上がっていく。

たぶん建物の中から見る景色もまた角度によって異なり

それぞれが独自の表情を見せてくれます。

光が踊り、影が静かに落ちる瞬間

外の風景と建物が一体となり

心地よい調和が生まれ

新たな発見が見つかるでしょう。

小雨の祝福

棟上げの日

静かに降る小雨が

まるで家の誕生を祝うかのように降り注ぐ。

「ここに家が建つ」

と言葉で言うのは簡単だけど

それが目の前で立ち上がる瞬間は格別である。

大工さんたちの熟練の技と

家に込められた多くの人々の想いが伝わってくる。

一つひとつの木材が積み重なり風景の一部となる。

そして今日のこの雨もまた

家の歴史の一部になっていくのだろう。

余寒の琴平

琴平新町商店街

鳥居の横に佇む新しい建物がその形を成すべく

地鎮祭が執り行われました。

寒の戻りの冷たい風が心地よくもあり

鳥居をくぐり抜ける人々の視線が

自然と新しい建物へと引き寄せられる。

歴史的な景観と調和しながら

建築は時と場所

そして人々との対話を紡ぐ言葉のように

静かにその存在を主張し始め

空間が語りかけるように

過去と未来が交差する場所に新たな物語が始まります。

§

1年近く放置していたコレも始まります。