(日本語) むぎなわ

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「麦縄の里~列柱の森」
 
所在地:香川県高松市
竣工:2021年5月
用途:店舗(複合施設)
構造:木造平屋建
敷地面積:1120.0㎡
建築面積:216.96㎡
延床面積:171.41㎡
写真:野村和慎
 
 
香川県高松市街から車を走らせると桃源郷のような場所が突如現れる。元々素麺屋を営んでいたこの場所は遠くの山々や眼下の池があり遠くとなく近くとなくさまざまな距離の出来事が重なるようなところである。この自然の中では、かつて人類は全身で環境の変化を感じながら、狩や農耕を行い大きな流れの中で暮らしていた。この場所でそんな本能的な自由さを感じられたら良い、人と環境の繋がりが広がっていくようなきっかけを考えた。そして多様な空間特性が総合的に組み立てられ、その環境を媒介にして、人と人の、あるいは人と物との出会いが生まれるような場所を。建物は敷地の端に寄せ素麺屋との間に広場をつくる。細長い切妻屋根の建物は一つの建物のようだけどそれぞれの商いはほど良い距離感で離れている。この中には形態、素材、スケールの多様性とそれらを結びつける秩序を用意した。個々それぞれが強く引き付けられる部分や全体を発見し、それを共有する人の存在にふと気づくような曖昧な場所をつくる。そこに腰掛ける大人がいれば走りまわる子供たちもいる。身体と環境との距離のとりかたは自由である。半透明な屋根から落ちてくる光、内なのか外なのか曖昧な場所の雨や風、どこからか聞こえる水の音などが建物に深みのある表情を与え、地域に独特な景観をつくり出す。建築の設計は、世界観、人生観にはじまる。それを姿形あるもので表現しなければならない。通常の平面、立面、断面だけではない、肌でふれたり見たり聞いたりする素材をその姿に頼るほかあるまい。
キラキラ、しとしと、そよそよ、ゴツゴツ、ウネウネ、ザラザラ、さらさら…