方形の洞へ ~植栽工事

 

植栽工事が進んでいる.

それは飾るための作業ではなく

建築が日常へとほどけていくための大切な時間だ.

 

建物と植栽は

どちらかが主役になる必要はない.

前に出る日もあれば

静かに背景に退く日もある.

その揺らぎが

この場所に無理のない居心地をつくっている.

 

葉の動きにふと目が留まり

光の変化に一日の流れを知る.

ここでは季節が語りかけ

天候がそっと生活に混ざり込む.

 

建築は強く主張しない.

ただ外と内

人と自然のあいだに

穏やかな距離を用意している.

その距離があるからこそ

人は安心して身を置ける.

 

「関係としての建築」は

「日常に馴染む風景」として

この方形の洞の中で静かに息づいている.

 

特別なことは起こらない.

けれど何気ない時間が少しだけ豊かになる.

その積み重ねがこの場所を家にしていく.

 

方形の洞は完成を急がない.

植栽が育ち人の暮らしが重なり

ようやく建築は

風景の一部になっていく.

Leave a Reply

Your email address will not be published. Required fields are marked *