
柳井の現場の途中、錦帯橋に寄る.
錦帯橋は五つの橋が連なる.
ただ連なっているのではない.
中央の三連は迫持式と呼ばれる木のアーチ.
両端の二連は静かに反りをもつ桁橋だ.
この五連という構成は
世界的に見てもきわめて希である.
だがその希少性は奇抜さから生まれたものではなく
「流されない橋をつくりたい」
ただその切実な願いが
形となった結果である.
急流に抗うのではなく受け流す.
力を一箇所に集めず分け合う.
木を組み、重ね、押し合いながら
アーチは自ら立ち上がる.
そこには理屈よりも先に
身体で覚えた構造の知恵がある.
錦帯橋は技術の記念碑のように見られがちだけど
自然と向き合い続けた時間の集積であり
人の手が風景に学び続けた痕跡そのものだ.
現代においてもこの架橋技術は高く評価されている.
それは古いからではなく
いまなお合理的で
しなやかで
美しいからである.
