この夏、
猛暑でいくつかの植物がやられた。
それでも水をやってきたのである。
根が生きていれば
必ず息を吹き返すと信じ、
鉢や土を変えメネデールを注ぎ
世話をしてきた。
葉や土を湿らせるだけの行為を、
スタッフとじっと繰り返し続けたのだ。
愚かにも。
枯れ木に花を咲かせましょう、
と花咲か爺さんは言う。
作物と人間が密接だった時代、
あの民話をもっと切実に受け止めていたのだろう。
今では我が事務所では
枯れた植物を蘇らせる爺さんこそ
憧れの存在なのである。