古い建物が混在したこの場所で、
残されるものと取り壊されるもの。
生者必滅が自然の法則なら、
建築もまた生けるものとして、
必ず死する時がある。
人間の世界では次々と世代に受け継がれて、
歴史が彩られてゆくように、
建築物もまた人間の延長として
次々と完成されては誕生し、
活躍して死滅していく。
あるいは死滅というよりは
転生していくと言った方が
良いのかもしれない。
建築計画はこのような建築の輪廻を想いつつ
とくに設計を中心にして、
新しい建築を生み出していく過程にほかならない。
仏式の地鎮祭の中、御焼香を終えて思った。