波間すれすれを浮遊していた。
それは魂が母胎にとらえられる
故郷の瀬戸内海を
彷徨している追憶なのか、
父母来生以前の原初の海を
泳いでいたような記憶なのかはわからない。
もしかしたらそれが波間でなく38度線なのかもしれない。
心が楽しい時、
すべてのものは美しく
生き生きとして感じる。
嫌なことがあっても
それを克服する道が見えてくる。
楽しそうにしていると
周囲の人までついつられて
愉快にならずにいられない。
もうろう状態からそんな記憶や感情を
徐々に呼び戻すため、
事務所の近くにある植物を見に行った。