沖縄を始めとする熱帯地方に分布する「ガジュマル」
このガジュマルの面白いところは不思議な幹の形です。
一般的に幹は自身を支えるために先細りに伸びていくのだけれども
この木はそんな考えを全く無視した幹の形をしています。
ガジュマルは幹や枝から髭状の気根を出し、
地中に入ると支柱根となるらしい。
つまり幹には自身を支える役割よりも
水分や養分を吸収する役割の方が大きいのである。
1ヶ所に根を下ろすよりも少しでも広い範囲で
栄養分を集めようとした結果が
あの神秘的な形状となるのだと思います。
昨年は独立して10年。
いろんな場所でたくさんの出会いがあり、
多くの方の協力のもと、少しずつですが形にもなり、
今日まで続けることが出来たのではないかと思います。
10年という年月は人間にとってみれば
大きいのかもしれませんが、
建築の寿命からすればまだまだ余すところが多いですし、
植物からしてみればこれからだと思います。
常に新しい意識を持っていなければ
それらの流れに取り残されてしまう。
だからと言って新しいモノばかり追っかけても
建築という長いスパンを考えると安易にデザインも出来ない。
そういった意味で、今自分が何を想い
何をつくっていくかということに
長い目で取り組んでいこうと思います。
今年もよろしくお願いします。
「名護市庁舎」43年前の建物。
つまり私が生まれた年に竣工した建築物。設計は象設計集団