芸西の丘の家

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「鯨棲の丘の家」
 
高知県の東に位置する村、芸西村。太平洋を目の前に見下ろす丘の上の住宅である。海沿いの国道から細く曲がりくねった急な坂道を上がる。地形に沿って木々や家屋が建ち並び、そこを抜けると敷地が広がっている。地理的な広大さ、環境の多彩さ、ここに棲むおおらかな息づかいが聞こえてきそうな、そんな場所をクライアントは探し続けた。建物は南北に長く、天井高や床のレベル、凹凸のある平面などリズミカルに配置して空間を分節し深い庇で包み込む。2階のヴォリュームは、海を覗き見るかのように1階の大きな屋根からニョキニョキと突き出ている。リビングとダイニングが緩やかに土間空間でつながり、分節されたそれぞれの空間からは海を眺めることが出来る。リビングには南東面に大きな開口を計画し、木製の建具を開ききると床から伸びたデッキと深い軒の間には自然が広がった外部空間が切り取られる。南北に長い空間は海風と陸風を取り込む「風の道」になる。そこは地域の気候や風土をとらえ、秩序を与え、命を吹き込み生き続けていくだろう。
 
 
所在地:高知県安芸郡
竣工:2019年6月
用途:専用住宅
構造:木造2階建て
敷地面積:235.14㎡
建築面積:100.58
延床面積:96.88㎡
写真:野村和慎