月見台のある家

コンクリートの塀は杉板の型枠で粗く仕上げた

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デッキ夕景

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月見台、勾配のついたデッキは自然に座れる

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リビング夕景

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あいまいな土間スペース

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土間玄関から階段を見る

 

 

「セツゲツカ」

 

敷地は日本海の美保湾に面する弓ケ浜からほど近いところに位置し、住宅地の中にあるため「囲まれて過ごしたい」という要望をもとにカタチ造られることになる。それは単純に塀などで囲んでしまうのではなく、プランニングやこれから大きくなっていくであろう植栽でやわらかく生活を包み込むと同時に、近隣の人たちの目をも楽しんでもらうよう心がけた。仕事柄ご夫婦とも生活環境が異なるため、リビングとダイニングを分離するが、性格の異なった空間で中庭を囲むことにより、その中庭を介し起臥を共にすることが出来るだろう。最初の要望書に書かれた「屋上庭園」は予算の都合で断念したが、「自然」というものを意識しているご夫婦のためにその夢をかなえるべく屋根の上に月見台を設けた。つまり、この家には3つのものを描きこむという約束事をつくったのである。
風景には雪の姿を描き、
中庭には四季折々の草木を展開する。
そしてもうひとつ、中空には月を、、、
実は気候の厳しさはもちろん、自然であったり生活に対する意識の高さがもう一つの要望である「北欧風」だったのではないだろうか、、、

 

所在地:鳥取県米子市
竣工:2008年11月
用途:専用住宅
構造:木造2階建
敷地面積:223.15㎡
建築面積:87.15㎡
延床面積:119.76㎡
写真:野村和慎