植物のコト」カテゴリーアーカイブ

収穫

 
雨の日の後の屋上は
緑がみずみずしくて気持が良い。
 
きゅうりとシシトウが
収穫出来て嬉しい。
 
植物は手入れをすれば必ず芽を出すから、
より因果応報的物質である。

夏も終わろうとしている

 
メキシコ亀甲竜(夏型)
 
冬に葉を落としてからというもの
春になれば復活する、
と期待してからもう夏が終わろうとする。
 
もちろん理性では知っている。
 
確かめるのが怖いのだけど、
それら沈黙を続ける植物は
すでに生命活動を終えているのだろうか、、、
 
もしかしたら
アフリカ亀甲竜(冬型)なのかもしれない、
 
と根拠もなく冬を待つことにする。

花咲かじいさん

 
この夏、
猛暑でいくつかの植物がやられた。
 
それでも水をやってきたのである。
 
根が生きていれば
必ず息を吹き返すと信じ、
鉢や土を変えメネデールを注ぎ
世話をしてきた。
 
葉や土を湿らせるだけの行為を、
スタッフとじっと繰り返し続けたのだ。
 
愚かにも。
 
枯れ木に花を咲かせましょう、
と花咲か爺さんは言う。
 
作物と人間が密接だった時代、
あの民話をもっと切実に受け止めていたのだろう。
 
 
今では我が事務所では
枯れた植物を蘇らせる爺さんこそ
憧れの存在なのである。

ボタニカル オフィス

 
私の事務所はここ数年で植物が増えた。
 
きっかけは高松のクライアントからいただいた
コウモリランである。
 
ただ増えているだけではない。
減ったりもする。
 
乾ききった事務所に馴染めなかったものや、
栄養枯れの土によるものだったり、
根腐れしたもの、
環境を変えるため自宅に持ち帰ったもの、
などなど。
 
もちろん欲しくても
手に入れられないものもある。
 
 
 
先日、庭の打合せで
昨年末にお引渡ししたお家にお伺いした。
 
クライアントとは
土地探しからのお付き合いになる。
 
「土地探しからで言うと、2年以上もお世話になっているので、、、
テンキュウさんが好きだと思って、、、」
 
と玄関においてあったものを
おもむろに出してきたのは塊根植物。
 
欲しくても手に入れられなかった植物、
パキポディウム グラキリスなのである。
 
なぜ私が好きなものを知っているのだ?
しかも欲しくても手が出ないシロモノを、、、
 
 
「いや、そんな、もらうわけには、、、
いいんですか、、、」
私は口の奥でモゴモゴ言った。
それでいて目は輝き
パキポディウムのふっくらとした塊根を
しっかりととらえていた。
 
その横で呆れた目で
私を見るスタッフなんて知る由もない。
 
直射日光でも大丈夫、とか
風通しが大事だとか、
テクニカルな言葉を並べると
もはやエセガーデナーと一緒になりかねないので、
もう何も面倒なことは言わず
ただただうなずき、
必ず大事にします、
と心に誓うのであった。
 
0814-グラキリス