
昼過ぎの現場は朝の緊張が少しほどけ
どこか穏やかな空気に包まれていた.
京田の家、配筋検査の日.
24坪という大きすぎない器.
構造は耐震等級3
まだコンクリートに覆われる前の鉄筋が
整然と地面の上に広がっている.
その姿はこれから始まる暮らしの骨格のようでもある.
京田のような場所には分かりやすい派手さはない.
けれど良い家が建つ条件が静かに揃っている.
地下水を生活用水にできるほど水がきれいなこと.
見上げれば空が広く抜けていること.
それでいて町から遠すぎないこと.
こうした土地では建築が無理に主張する必要がない.
場所の力に耳を澄ませ輪郭を整えていけばいい.
京田は建築を急かさない.
時間を味方につけながら
静かに育てていくタイプの土地だと思う.
基礎の配筋を眺めながら
この家もまた風景の一部になっていくのだろうと想像する.
強さを内に持ちながら
外には多くを語らない家.
完成したとき
「ここに建つべくして建った」
と自然に感じられる
そんな建築を丁寧につくっていきたい.