打合せのため再び島へ渡る。
ここへ来ると時間を忘れさせてくれる。
その場所からなのか、
そこに住む人からなのか、
それともある時代から屋根裏に隠されていた
身を守るための刀のせいなのか、、、
ある土地で住んで積み上げてきた知恵。
そこに示されている成果物は、
厳しい状況の中での祖先の苦労の報酬でもある。
注ぎ込まれた生命がひしひしと訴えてくる。
世代を超えようとした文化がそこにあり、
それは単なる情報でもなく知識だけではない。
その場所には人生の詩や歌が託されていて、
そこに住む家族の想像力や時代を洞察した叡智など、
そこに住む人たちがもがきながら掴もうとする表現などが
渾然一体となっている。
僕たちがどんな場所であれ、
自信を持って住んでいる人たちのところを訪れるとき、
どんなに素朴であっても、
守るべき場所の持ついとなみの持続と想像力から
深い感動を受ける。
ここではそれが豊かに存在する。