森の大屋根

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「森の大屋根」
 
数メートル地上へ上がっただけで数10キロも見渡せる。そこは空とつながり街とつながる。
「景色を楽しみたい」「屋根の上に上がりたい」という要望から計画が始まった。
 
敷地は香川県高松市内の小高い山のふもとに位置し、南側には木々に覆われ、北西の景色は高松市街の眺望が開けていて夏には花火も見ることが出来る。木々の風景、市街地の景色は、居場所から視線が交差し抜けていくことで敷地がもつ潜在的な可能性を引き出すとともに、動きや奥行きを感じられる場所になるのではないかと感じた。つまり自然との一体感と生活の広がりをどう得るかが設計の目的となった。何度もプランを練り繰り返したが、結局は材料の選択に始まって、その材料の特性を生かした空間構成がさらに設計の基本姿勢を規定し、そうした空間の中で生活の方式が作り上げられると内容と容器とはピタリと一致した。とにかく大きな屋根に包み込まれる大きな場所に家族が集まっている風景だけが膨らんでいく。その大きなリビングに林立する大きな3本の柱は家族3人を象徴し、それらは大きな屋根を支えるだけでなく支える柱の向こう側まで見える安心感をもたせた。奥行きの深さはそれだけ安全と感じられ、南側の木々から林立する3本の大きな木へと、そして敷地の高低差からなる床の段差で空間が変化し連続させ、奥行感と同時に生命と大地との一体感を出した。眺望を活かすことはもちろん、地形や地面とのかかわりを反映させるため、建物のヴォリュームを抑え、その屋根の上ではまるで山歩きをしているかのように感じながら市街地を一望出来、春は桜の木が生活の場をよりいっそう豊かにしてくれるだろう。今思うとクライアントからの細かな要望、こんなものがほしいとか、これくらいの部屋の広さがほしいとかは一切なく、こんなことをしたい、もっとこうなればいいという、簡素で自然な生活、人生での好みということにかかわらせてもらった気がする。
 
 
所在地:香川県高松市
竣工:2014年4月
用途:専用住宅
構造:木造2階建
敷地面積:376.51㎡
建築面積:129.37㎡
延床面積:123.41㎡
写真:野村和慎