月別アーカイブ: 2012年5月

モータリゼーション

翌日は大衆食堂の移転計画の打合せ。
 
学生のころが懐かしいなんて
甘言は通用しないし、
学生の街とは思えないくらい
この商店街の抱える問題は深刻である。
 
この町の商店街だけでなく、
僕が生まれ育った町の商店街もそうである。
 
 
 
モータリゼーションは
地方小都市の人の動きを
根拠のない形に変えてしまった。
 
その場所の歴史や文化とは関係なく
車は街を走り抜け
町の重心を変えてしまった。
 
商業の中心は移動し、
古い商業の中心は空洞化してゆく。
 
この話が舞い込んできた時には
この商店街を、この街を変えたいと考えた。
 
いささかヒロイックな気分になっていたことは
否めない。
 
いささかどころか、
スタッフと一緒に
肩をいからせていたかもしれない。
 
風塵舞い上がる街にブラリと出現して、
当たるを幸いなぎ倒し、
店主と共に悪いスーパーマーケットを
退治するなんて馬鹿げたことを、
全く考えてなかった
とは言えない。
 
実際、
この商店街がこの店の移転によって
変わるきっかけになったら
誇るだろうの思うくらいの、
そんな絶体絶命の商店街なのだ。

「香南の家」棟上げ

昨日は「香南の家」の棟上げ。
 
 
女性のための家づくりに関しては
我ながら肩の力が抜けて
依頼主の言うがままに作ることが多く、
 
それが家の全体にある種のゆるやかな
受容力を備えさせることになっている。
 
依頼主によって僕も開放されているのかな。
 
女性にただ弱いのだと言うのが
本当のことかもしれん。
 
 
面目ない。

自然素材

この週末の営業活動は自然素材について話してみたが、
性能的なことなんて正直言って詳しくない。
 
では、なぜ自然素材がいいのか、
考えるいいキッカケをいただいた。
 
「それが人間というものである」とか
「そういう風に人間は出来ている」とか、
ついには「生命は、、、」
という人もいるかもしれないが、
ソンナコトネエダロウ、と思う。
 
そうあってほしいけど。
 
 
 
自然素材を好ましく思うのは、
多分そうした素材に囲まれて長い間生きていたからで、
もし幼児期から鉄とガラスとコンクリートの中だけで育てば
自然の素材はすごくうっとうしいものに見えるに違いない。
 
人は生まれながらにして自然を求めている、
というような能天気な考えは捨て
長い間馴染んでき手の感触、目の印象を思い出して
そこから建築を始めたい。
 
 
この営業では自然素材の性能的なこと
メンテナンス的なことを聞いてみようと
来場されたお客さんの期待を
裏切ってしまったかもしれない。
 
写真は当事務所が自然素材で作ったオリジナルの「下駄」。
体験していただいた物好きな同業の方と、
好奇心旺盛なお客さん。
 
次回お会いする時までには
「履き心地」を超えたものが出来るかどうかは
ワカラナイ。

ご来場ありがとうございました

遠方からだったり雨の中だったり、
GWにも関わらず、
沢山の方のご来場ありがとうございました。
 
途中、中庭のヤマボウシに小鳥が来場し、
偶然のようにして出来る風景を
発見できたような気分になり
ささやかな喜びを得られて
まぁ、自己満足の極みである。
 
 
今日は、事務所でコーヒーを飲んで雑談。
 
こんな些細なことも
久しぶりのような気がする。
 
この時期になると
必ず県庁通りを通る右寄りな方の街宣車。
 
そんな中、事務所ではゆったりとした時間だった。
 
たった数十分のことだけど。
 
やっぱり疲れているんですよ、
人並みに。